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防音パーテーションのおすすめと失敗しない選び方完全ガイド

オフィスの会議室から声が筒抜けになっている。自宅でのリモートワーク中に家族の生活音が気になって集中できない。ASMR収録や音楽制作のために、部屋の一角だけでも防音環境を作りたい。こうした悩みを抱えている方にとって、防音パーテーションは最も現実的な解決策のひとつです。

ただし、防音パーテーションは種類も価格帯も非常に幅広く、「とりあえず安いものを買ったけど全然効果がなかった」という声を本当によく耳にします。個人的な経験では、素材の選定を間違えるだけで遮音性能に10dB以上の差が出ることも珍しくありません。つまり、選び方を知っているかどうかで、投資した金額に見合う防音効果を得られるかが大きく変わるのです。

この記事では、防音パーテーションの基本的な仕組みから、用途別のおすすめ製品、そして購入前に必ず確認すべきポイントまで、実践的な情報をまとめました。

この記事で学べること

  • 防音パーテーションの遮音性能はスチール製で約30〜40dB、アルミ製で約15〜25dBと素材で大きく異なる
  • オフィス用と自宅用では選ぶべきパーテーションの構造が根本的に違う
  • 「遮音」と「吸音」の違いを理解するだけで、無駄な出費を数万円単位で防げる
  • 賃貸でも設置可能な自立式パーテーションで実用的な防音環境が作れる
  • 価格だけで選ぶと失敗する理由と、コストパフォーマンスの正しい判断基準

防音パーテーションの基本的な仕組みと種類

防音パーテーションを選ぶ前に、まず「防音」がどのように実現されるのかを理解しておくことが大切です。

音を遮る仕組みには大きく分けて遮音吸音の2つがあります。遮音とは、音が壁や仕切りを通過するのを物理的にブロックすること。一方、吸音とは音のエネルギーを素材内部で吸収し、反射を減らすことです。防音パーテーションの多くは、この2つの機能を組み合わせて設計されています。

遮音とは?吸音との違いと防音効果でも詳しく解説していますが、この違いを知らないまま製品を選ぶと、期待した効果が得られないケースが非常に多いのです。

素材別の主な種類と特徴

防音パーテーションは素材によって性能が大きく異なります。主に以下の4タイプに分類できます。

スチール(鉄鋼)パーテーションは、最も遮音性能が高いタイプです。パネル内部にグラスウールなどの吸音材が充填されており、遮音等級でいうとJIS規格のTs-30〜Ts-40クラスの性能を持つ製品が一般的です。これは一般的な会話音(約60dB)を、隣室ではささやき声程度(約20〜30dB)まで低減できるレベルに相当します。

アルミパーテーションは、軽量で施工が比較的容易なタイプです。遮音性能はスチール製に劣りますが、Ts-15〜Ts-25程度の性能を確保できます。コストを抑えつつ、ある程度の防音効果を求める場合に適しています。

LGS(軽量鉄骨)パーテーションは、壁に近い構造を持つタイプで、石膏ボードを両面に貼り付けた本格的な間仕切りです。遮音性能はTs-35〜Ts-45クラスと非常に高く、スチールパーテーションを上回ることもあります。ただし、施工には専門業者が必要で、一度設置すると移動が困難です。

布・フェルト系パーテーションは、主に吸音効果を目的としたタイプです。遮音性能は限定的ですが、室内の反響音を抑える効果があり、自宅でのリモートワークや簡易的な音声収録環境の改善に活用されています。

30-40dB
スチール製の遮音性能

15-25dB
アルミ製の遮音性能

35-45dB
LGS製の遮音性能

5-10dB
布・フェルト系の遮音性能

用途別に見る防音パーテーションの選び方

防音パーテーションの基本的な仕組みと種類 - 防音パーテーション おすすめ・選び方
防音パーテーションの基本的な仕組みと種類 – 防音パーテーション おすすめ・選び方

防音パーテーションは「何のために使うか」によって最適な製品が大きく変わります。ここでは代表的な用途ごとに、選ぶべきポイントを整理します。

オフィスの会議室や応接室に使う場合

オフィスでの利用は、防音パーテーションの最も一般的な用途です。会議の内容が外部に漏れないようにする機密性の確保が主な目的となります。

この場合、最低でもTs-30クラスの遮音性能を持つスチールパーテーションが推奨されます。一般的なオフィスの会話音は55〜65dB程度ですので、Ts-30であれば隣のスペースでは25〜35dB程度まで低減でき、会話の内容がほぼ聞き取れないレベルになります。

さらに重要なのが、パネルの接合部やドア周りの気密性です。パネル自体の遮音性能がいくら高くても、隙間があればそこから音が漏れます。経験上、パネルの遮音等級だけを見て選んでしまい、施工後に隙間からの音漏れに悩まされるケースは少なくありません。

予算としては、スチールパーテーションの場合、1㎡あたり約15,000〜30,000円程度が目安です。施工費を含めると、6畳程度の会議室を囲う場合で50〜100万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

自宅のリモートワーク環境に使う場合

在宅勤務でのWeb会議や集中作業のために、部屋の一角に防音スペースを作りたいという需要が増えています。

自宅の場合は、賃貸でも設置可能な自立式タイプを選ぶことが最優先事項です。壁や天井にビスを打てない環境では、突っ張り棒式や置き型のパーテーションが現実的な選択肢になります。

布・フェルト系の吸音パーテーションでも、デスク周りを囲むように3面配置すれば、Web会議の相手に聞こえる環境音をかなり軽減できます。完全な遮音は難しいものの、「声が筒抜けにならない程度」の効果であれば、1枚5,000〜15,000円程度の製品でも十分対応可能です。

💡 実体験から学んだこと
自宅で音声コンテンツの収録環境を整えた際、最初は高価なスチール製パーテーションを検討しましたが、賃貸のため断念。代わりに吸音フェルトパネルを3面に配置し、さらに内側に吸音材を追加したところ、反響音が大幅に減り、十分に実用的な収録環境が完成しました。総費用は約3万円で、費用対効果は非常に高かったと感じています。

ASMR収録や音楽制作に使う場合

音声コンテンツの制作では、外部からの音を遮断するだけでなく、室内の反響音(残響)をコントロールすることも重要になります。

この用途では、遮音と吸音の両方を考慮した複合的なアプローチが必要です。パーテーションだけで完璧な防音環境を作るのは現実的ではありませんが、防音パネル吸音パネルと組み合わせることで、かなりのレベルまで環境を改善できます。

具体的には、自立式の防音パーテーションで外部音をある程度遮断し、その内側に吸音材を配置して反響を抑えるという二重構造がおすすめです。パーテーションの内側面にウレタンフォームやグラスウールの吸音材を貼り付けるだけでも、録音品質が目に見えて向上します。

防音パーテーションを選ぶときに確認すべき5つのポイント

用途別に見る防音パーテーションの選び方 - 防音パーテーション おすすめ・選び方
用途別に見る防音パーテーションの選び方 – 防音パーテーション おすすめ・選び方

用途が決まったら、次は具体的な製品選びです。以下の5つのポイントを順番に確認していくことで、失敗のリスクを大幅に減らせます。

遮音等級(Ts値)を必ず確認する

防音パーテーションの性能を客観的に比較するために、最も重要な指標が遮音等級(Ts値)です。これはJIS A 1417に基づいて測定される数値で、数字が大きいほど遮音性能が高いことを意味します。

注意すべきは、メーカーによっては遮音等級を明示していない製品もあるということです。「防音」と謳っていても、実際の遮音性能が不明確な製品は避けた方が無難です。

パネルの厚みと内部構造を確認する

一般的に、パネルが厚いほど遮音性能は高くなります。スチールパーテーションの場合、パネル厚は50mm〜100mm程度が主流です。内部にグラスウールやロックウールなどの吸音材が充填されているかどうかも、性能に大きく影響します。

設置環境の制約を事前に把握する

天井までの高さ、床の耐荷重、電源やLANケーブルの配線ルート、空調の吹き出し口の位置など、設置環境の制約は事前に徹底的に確認しておく必要があります。

特に賃貸物件の場合、原状回復が可能かどうかは最も重要な確認事項です。天井や壁に固定が必要なタイプは、退去時にトラブルになる可能性があります。賃貸でできる防音室の作り方も参考にしてみてください。

隙間対策の仕様を確認する

前述の通り、パネルの接合部や床との隙間は音漏れの大きな原因になります。良質な製品は、パネル間にガスケット(気密材)が入っていたり、床面にスイープ(隙間塞ぎ)が付いていたりします。

将来的なレイアウト変更の可能性を考慮する

オフィスのレイアウトは数年単位で変更されることが多いため、移設や増設が容易なシステムを選んでおくと、長期的なコストパフォーマンスが向上します。

購入前の確認チェックリスト






価格帯別のおすすめ防音パーテーション

防音パーテーションを選ぶときに確認すべき5つのポイント - 防音パーテーション おすすめ・選び方
防音パーテーションを選ぶときに確認すべき5つのポイント – 防音パーテーション おすすめ・選び方

ここからは、予算に応じた具体的な選択の方向性を解説します。製品の特性を理解した上で、自分の用途と予算に合ったものを選びましょう。

1万円以下で手に入る簡易防音パーテーション

この価格帯では、主にフェルト素材やポリエステル繊維を使った吸音パーテーションが中心になります。完全な遮音は期待できませんが、デスク周りの反響を抑えたり、Web会議時の環境音を軽減したりする用途には十分です。

デスク上に設置する卓上タイプは3,000〜8,000円程度で入手可能で、導入のハードルが最も低い選択肢です。ただし、この価格帯の製品は「吸音」が主目的であり、「遮音」効果は限定的である点を理解しておく必要があります。

1〜5万円の中価格帯パーテーション

この価格帯になると、床置き型の自立式パーテーションで、ある程度の遮音性能を持つ製品が選べるようになります。パネル内部にウレタンフォームや薄手のグラスウールが入った製品が多く、Ts-10〜Ts-20程度の遮音性能が期待できます。

自宅でのリモートワークや、オフィスの簡易的な間仕切りとして使うのであれば、この価格帯が最もコストパフォーマンスに優れています。

5〜30万円の本格的な防音パーテーション

スチール製やアルミ製の本格的なパーテーションシステムがこの価格帯です。Ts-25以上の遮音性能を持ち、オフィスの会議室や応接室の間仕切りとして実用的なレベルの防音効果を発揮します。

施工には専門業者が必要になることがほとんどですが、その分、隙間処理や気密性の確保が確実に行われるため、カタログスペック通りの性能を発揮しやすいという利点があります。

30万円以上のハイスペック防音パーテーション

LGSパーテーションや、スチールパーテーションの上位モデルがこの価格帯に該当します。Ts-35〜Ts-45クラスの遮音性能を持ち、音楽スタジオや放送設備に近いレベルの防音環境を実現できます。

ただし、これほどの遮音性能が必要かどうかは、用途を冷静に見極めることが大切です。オフィスの一般的な会議室であれば、Ts-30クラスで十分なケースがほとんどです。

📊

価格帯別の遮音性能目安

〜1万円
5-10dB

1〜5万円
10-20dB

5〜30万円
25-40dB

30万円以上
35-45dB

防音パーテーションの効果を最大化するコツ

せっかく防音パーテーションを導入しても、設置方法や周辺環境の整備が不十分だと、本来の性能を発揮できません。ここでは、効果を最大限に引き出すための実践的なポイントをお伝えします。

隙間を徹底的に塞ぐ

音は水と同じで、わずかな隙間からも漏れ出します。パーテーションの下部と床の間、パネル同士の接合部、天井との間など、あらゆる隙間を確認し、対策を施すことが重要です。

市販の隙間テープやドア用のシール材を活用するだけでも、かなりの改善が見込めます。防音シートを隙間部分に追加で貼り付けるのも効果的な方法です。

吸音材との併用で相乗効果を狙う

パーテーションの内側に吸音材を設置することで、遮音と吸音の相乗効果が生まれます。パーテーションで外部への音漏れを防ぎつつ、吸音材で室内の反響を抑えるという二段構えのアプローチです。

特に音声収録やオンライン会議が主な用途の場合、パーテーション単体よりも吸音材との組み合わせの方が体感的な効果が大きいことが多いです。

💡 実体験から学んだこと
以前、オフィスにアルミパーテーション(Ts-20クラス)を設置した際、パネル自体の遮音性能は問題なかったものの、天井との隙間(約5cm)から音が回り込んでしまい、期待した効果が得られませんでした。天井部分に吸音材を追加設置したところ、体感で2〜3割ほど音漏れが改善。隙間対策の重要性を痛感した経験です。

パーテーションの配置レイアウトを工夫する

同じ製品でも、配置の仕方によって防音効果は変わります。基本的な原則として、音源をできるだけ多くの面で囲むほど効果は高まります。

L字型よりもコの字型、コの字型よりも四方を囲む方が効果的です。ただし、完全に密閉すると換気の問題が生じるため、空気の流れを確保しつつ音の回り込みを最小限に抑えるバランスが大切です。

よくある失敗パターンと回避方法

防音パーテーション選びで多くの方が陥りやすい失敗パターンを紹介します。事前に知っておくことで、同じ過ちを避けられます。

「防音」の表記だけを信じて購入してしまう

「防音パーテーション」と銘打たれていても、実際の遮音性能は製品によって天と地ほどの差があります。前述の通り、具体的な遮音等級(Ts値)やdB低減値が明記されていない製品は、購入前に必ずメーカーに問い合わせるべきです。

1面だけの設置で効果を期待してしまう

パーテーションを1面だけ設置しても、音は回り込んで伝わります。最低でも2面、できれば3面以上で囲まないと、実感できるレベルの防音効果は得られません。

床や天井からの音の伝搬を見落とす

音はパーテーションを通過するだけでなく、床や天井を伝って回り込むこともあります。特にオフィスビルで天井裏がつながっている場合、パーテーションの遮音性能がいくら高くても、天井裏から音が漏れるケースがあります。

⚠️
見落としがちな注意点
オフィスビルの多くは天井裏が共有空間になっています。パーテーションを天井まで設置しても、天井裏を通じて音が隣室に伝わることがあります。本格的な防音が必要な場合は、天井裏の遮音処理も含めて検討してください。施工業者に事前に天井裏の構造を確認してもらうことをおすすめします。

防音パーテーションと併用したい防音アイテム

パーテーション単体での防音には限界があります。より高い効果を求める場合は、他の防音アイテムとの併用が効果的です。

防音シート・遮音シートは、パーテーションの表面や隙間に追加で貼ることで遮音性能を底上げできます。遮音シートの効果と使い方を参考に、適切な製品を選んでみてください。

吸音パネルは、パーテーション内側の壁面に設置することで、室内の反響を効果的に抑えます。特に音声収録を行う方にとっては、パーテーションと同じくらい重要なアイテムです。

防音カーテンは、窓からの音の出入りを軽減するのに役立ちます。パーテーションで室内を仕切っても、窓からの音漏れが大きければ全体の防音効果は下がってしまいます。

これらを組み合わせた総合的な防音対策については、防音材おすすめ・選び方でも詳しく解説しています。

よくある質問

防音パーテーションと普通のパーテーションは何が違うのですか

一般的なオフィスパーテーションは視覚的なプライバシーの確保が主な目的で、遮音性能はほとんど考慮されていません。一方、防音パーテーションはパネル内部に吸音材が充填されていたり、パネル自体が重量のある素材で作られていたりと、音の遮断を目的とした設計がなされています。見た目は似ていても、内部構造と性能は大きく異なります。

賃貸マンションでも防音パーテーションは設置できますか

自立式や突っ張り棒式のパーテーションであれば、壁や天井に穴を開けずに設置できるため、賃貸物件でも問題なく使用できます。ただし、重量のあるスチール製パーテーションの場合は床の耐荷重を確認する必要があります。また、退去時にそのまま撤去できるタイプを選ぶことが重要です。

防音パーテーションだけで完全に音を遮断できますか

残念ながら、パーテーション単体で完全な遮音を実現することは非常に困難です。音は隙間だけでなく、床や天井、さらには建物の構造体を通じても伝わります。パーテーションはあくまで防音対策の一要素として捉え、必要に応じて吸音材や防音シートなど他のアイテムと併用することで、より高い効果が得られます。

dB(デシベル)の数値はどのくらいを目安にすればよいですか

用途によって異なりますが、一般的な目安として、オフィスの会議室であればTs-30(約30dBの低減)以上、自宅のリモートワーク環境であればTs-15〜20程度で十分な効果を実感できます。参考までに、10dBの低減は人間の耳には「音が半分になった」ように感じられるとされています。

DIYで防音パーテーションを自作することは可能ですか

可能です。木枠を組んで両面に石膏ボードを貼り、内部にグラスウールを充填するという方法が一般的です。材料費は1面あたり5,000〜15,000円程度で済みますが、重量が大きくなりやすい点と、隙間処理の精度が市販品に比べて劣りやすい点には注意が必要です。防音壁DIYおすすめ素材まとめも参考にしてみてください。

防音パーテーションは、正しい知識を持って選べば、限られた予算でも十分な効果を得られるアイテムです。大切なのは、自分の用途と環境に合った製品を選ぶこと、そしてパーテーション単体に頼りすぎず、総合的な防音対策の一部として位置づけることです。この記事の内容が、みなさんの防音環境づくりの参考になれば幸いです。